二十歳からの保育園

 島崎雅美は、この春大学の二年になった。もうすぐ二十歳を迎える。
 幼い時に母と死別するという悲しい経験をもっていた。その時から雅美は父と二人暮しで、早い時期より家事一切を任されていた。だから同年代の子供達より行動は、幾分大人びいていたのだが、それは考え方だけであって、身体はそうはいかなかった。
 母が死んで半年後、雅美は原因不明の高熱に襲われた。三日間ほど生死をさまよい、直ぐに元気になったが、それから先は成長がほとんど止まってしまった。高校に入っても見てくれは小学生で、ともすればもっと小さく見られる。それは雅美が持つ可愛らしさとあどけなさや頼りなさそうな顔立ちが一層そう見せていた。
 友達の肩の高さもない小さな女の子。電車に乗って椅子に座っても足が床に届かない。すれ違う人は雅美の可愛らしさに皆振り返った。それはまるでお人形さんっと言った感じがしていた。
 他人から見れば何も屈託のない可愛らしい子供に見えたが、雅美自信にも憧れがあった。
 それは小さいとき、母と手を繋いで幼稚園に通う子供達を見ると羨ましく思っていた。それがトラウマになって今でもそんな親子ずれを見るとじっと見つめてしまう。
 (私もお母さんがいたらなー…あんな格好をしてみたかったなー…私も早く子供を産んで一緒に歩きたいな)
 そんな考えが心の中にぽっと浮かんでくるのである。
 
 ゴールデンウィークに、15年ぶりに母の妹の敏江が尋ねてきた。
 偶然にも隣町の保育園の園長として赴任してきたからだ。
 雅美も敏江を見て瞬間的に何か懐かしい物を感じた。母と全く瓜二つなのである。小さかった頃の母を思い出して心の中でつぶやいた。
 (お母さん…)
 雅美は、何かとてつもなく懐かしい思いに囚われた。それはまさしく母の面影だった。
 静江も又、雅美を見て、昔死産だった自分の子供を思い出し、こんな子が私の子供だったらと、心に強く感じ、二人とも見つめあったままになっていた。
 (雅美ちゃん。本当に小さくて、可愛らしくて、我が子みたい)
 自分の勤めている園児みたいだが、保育園児見たく駄々をこねない分雅美より可愛い子はいなかった。とても雅美が二十歳で大学生には思えない。
 その日を境に静江は、毎日のように訪れるようになった。
 夕方父が帰ってくる前に訪れて雅美を押しのけて食事の支度をして、三人一緒に食事をして帰っていった。次第に帰るのが遅くなり泊まっていくようになっていくのは自然である。まるでここが静江の家のようになっていった。
 通勤は自転車で雅美の家から隣町の保育園まで15分くらいだからたいした距離ではない。そして雅美のことを思うあまり静江は決心をしていた。
 
 「ねえ、俊夫さん。私たち結婚しようか?」
 幾分顔を赤らめて静江は、雅美の父俊夫に切り出した。
 「結婚!いまさら。・・・雅美もいることだし」
 「形だけよ。籍だけいれて…雅美ちゃんのためよ。雅美ちゃん、ずっと一人で寂しい思いをしてきたのよ。だから今から私が雅美ちゃんのお母さんに成ってあげようと思うの。あたしがここに来たのはきっと神のめぐり合わせよ」
 静江は目を輝かせて真剣に俊夫を見つめた。
 「雅美のためとは言っても…雅美ももう二十歳だし。そんなことがあるのかな?」
 俊夫は、そんなことがあるのかなと思うように静江を見つめなおした。
 「だから男の人はダメなのよ。私が来たときの事を覚えてる?雅美ちゃんの上気した顔の事を」
 「そう言えば…静江さんが来るようになって随分明るくなったようの思えるけど。雅美も早く帰ってくるようになったな」
 俊夫は思い出すように言う。
 「でしょう。雅美ちゃん、絶対寂しかったのよ」
 俊夫は頭を掻きながら幾分照れていた。
 「俺はかまわないけど、雅美がなんて言うかな?」
 それを聞いて静江の顔は明るくなった。
 「雅美ちゃんがOKしたらいいのね」
 「俺もその方がありがたいけど」
 「雅美ちゃんはきっとお母さんに甘えたいのよ。私が今度雅美ちゃんのお母さんになって初めからやり直してあげたいのよ」
 雅美が出かけている所からその時帰ってきた。そんな話が二人の間で出来上がっているとは気付いてはいない。
 
 もう直ぐ夏休みが近い蒸し暑い晩に雅美の寝ようとしている部屋に静江が入っていった。俊夫と静江が結婚話をしてから一週間過ぎていた。
 「ねえ、雅美ちゃん、一緒に寝てもいいかな?あっちの部屋、暑くて」
 雅美は、そう言われてドキッとした。
 いつもと同じ子供が着るような可愛らしいパジャマ姿で静江から目をそらした。
 ピンクの地に小さいパンダが一面にプリントされた丸首のパジャマ。上着はお尻までの長さで、下は同じ模様でひざの上までしかないコンビパジャマで、それが雅美をいっそう可愛らしい小さな女の子に見せていた。
 その姿はとても大学生には見えない。そこには静江の目から見ても小さな可愛らしい女の子にしか見えなかった。
 (可愛い。本当に小さな子供みたい)

 「べ、別にいいけど…」
 雅美は母のことを思い出して下を向いた。母と一緒に寝ていた時の記憶がよみがえってくる。
 (おかあさん)
 思わず涙がこぼれそうになってくるのをこらえた。
 「どうしたの?」
 静江が雅美の顔を覗き込んだ。
 「なんでもない。そうね、あっちの部屋はクーラーがないものね。今日は特に蒸し暑いし…」
 一緒に寝られるうれしさを隠し、そう言って雅美は静江の枕を用意して布団にもぐりこんだ。少しすると静江が雅美の布団の中に入ってきた。どことなく懐かしい匂いが雅美の鼻をくすぐる。確かに小さいとき母と寝たときの匂いと同じ物である。
 雅美は、ドキドキと胸の高まりを覚えた。
 母に抱っこされたいという欲望が湧きあがってくる。だがそんなことは二十歳の雅美には言えないし、また出来ない。
 そんな考えを抱いて雅美は頬を少し赤く染めた。そんな考えを抱いた自分に恥かしさを感じた。
 (私はもう大学生なのよ。何を考えているのかな。恥かしい)
 だが静江の匂いは布団の中に入って一層強くなるばかりだ。静江が布団に入って体温が上がってきたせであろう。そんな中、母を感じながら雅美は次第にまどろんでいった。
 そして確かに母に甘えていた頃、雅美がまだ赤ちゃんだった小さいころの夢を見ていた。

 静江が雅美の横に入ってから雅美は後ろを向いていたが、次第にこちらを向いてきた。寝顔は、一段とあどけなくてとてもこれが二十歳の女の子と思えないくらい可愛らしい。
 (まあ、可愛らしい。本当に小さな子供みたいな寝顔して…)
 静江が雅美の体に手を回して背中を軽くさすった。
 「おかあさん」
 雅美の寝言だった。それに対して静江が答えた。
 「なあに…」
 雅美は、何か夢を見ているようで何事かむにゃむにゃと答えると、雅美を胸元に引き寄せた。
 雅美の母に抱かれた子供時代の夢を見ているのは明だ。
 雅美の顔が静江の胸の直ぐ前にある。身体を丸く丸めて寝ている雅美の仕草は本当に子供みたいだ。昼間には見られない雅美の感じであった。
 静江はパジャマの胸元を開けて乳房を出し、雅美の口元に押し付けた。
 するとどうだろう。雅美の口はそれ咥え両手で押えるようにして吸い出したのだ。
 静江が思ったとおりの雅美の行動であった。
 「可愛い。本当の子供、いや赤ちゃんみたい」
 そう思って雅美をみた。最初小学生くらいから甘えさせてやろうと思っていた静江だったが、その姿を見ているうち、雅美があまりにも赤ちゃんらしく見えた。だから赤ちゃんから始められないかと思い直していた。無意識に吸われるお乳の軽い痛みは静江を母の世界に戻していた。

 雅美が起きたのは父が出かけた後だった。何か懐かしい物に触れたような、そして良く寝た感じがしていた。頬のあたりがカバカバしてつっぱたようになっている。唾液が乾いていたのだ。
 「何でだろう?・・・こんなに涎なんか垂らして」
 その時になってお尻から股間にかけてしっとりと湿っているみたいな感じなのに気付く。
 「?……えっ、ま、まさか」 
 お尻の下に手を差し込んだ。確かに濡れている。
 「やだ、おねしょしちゃってる!」
 雅美にはおねしょの記憶がない。小さいときからおねしょのどまったくしたことがなかったからどうしようか迷った。そして必死になった夕べの夢の事を思い出した。
 「夕べの夢見が…だからおねしょなんか」
 雅美は赤ちゃんになって母に抱かれてお乳を飲んでいるの光景を思い出した。
 雅美はそれを夢だと思っていた。静江のお乳を本当に咥えて寝ていたとは思ってもいない。
 その時ドアが音もなく開いて静江が入ってきた。
 「あら、おっきしてたの。マンマは?」
 園児に対する言葉遣いと同じである。雅美は、静江が保育園に勤めているせいでそれも仕方ないかと思っていたし、もうなれていた。
 雅美は、静江の前で起きる事が出来ないでいた。
 静江におねしょを気付かれるが恥かしい。
 「今日は?…保育園まだ行かないの?」
 いつもであれば父と一緒に出かけるはずであった。
 「今日はね、昼からでいいの」
 嬉しそうに静江は言った。
 「どうしたの?」
 中々起きない雅美に声をかけた。起きているときは夕べ見せたような赤ちゃんのしぐさは全くなかった。
 「何か頭が痛いの。少し寝ていれば…」
 最後まで言わないうちに静江の手は雅美の額を心配そうな顔をして触っていた。
 「熱はないみたいね…?」
 布団を少し捲ったためアンモニアのかすかな臭いに静江は気付いた。園児などはお昼寝の最中によくおねしょをする子がいる。その為そんな臭いに静江は敏感なのだった。
 「あれ、もしかして雅美ちゃん、おねしょしたんじゃない。それでおっき出来ないんじゃないの?」
 おねしょを指摘されて雅美はうろたえた。
 「そ、そんなっ…」
 そのときには掛け布団の半分以上捲り上げられていた。手で押えようとしたが静江の方が早かった。
 「おねしょは仕方ないでしょう。お布団は干せばいいんだから」
 にこにこと笑い優しい口調である。
 「何時までもそのままじゃ風邪を引いちゃうでしょう。早くおっきして」
 雅美は真っ赤であった。
 「誰にも言わないでね。お父さんにも…」
 恥ずかしさに身もだえしながら雅美は静江に訴えた。

 「当たり前でしょう。二人だけの秘密よ」
 そう言いながら静江は、雅美のおねしょを見てどのようにして子供に戻すかをこの時点で考えが固まった。
 元々甘えたいと言う願望があることは夕べの仕草で分っていた。
 −雅美ちゃんにオムツをつけたらどんなことになるのかしら。きっと可愛い赤ちゃんになるんだろうな−
 園児の中にもまだオムツの必要な子供はいる。そんな子供たちに雅美を置き換えて静江は微笑んでいた。


 雅美のおねしょは、その日から三日続き、それがますますひどくなっていった。
 三日目には一晩に2回もおねしょをして起こされていた。
 それにつれて頬から首筋に掛けて自分の唾液でいつも汚していた。それが日増しにひどくなっていてパジャマまで汚すようになっていた。乳首を加えたまま寝ていれば涎が出て当たり前であろう。
 それに起きていても自然と口が寂しく感じ、無意識に親指を咥える癖が出来ていて気付いて辞めるのだが、またいつの間にか忘れると親指を咥えていた。
 (いやだぁー、赤ちゃんみたいに…)
 そんな仕草を見て静江は、雅美にオムツを着ける硬く決心した。
 当然雅美を赤ちゃんとして扱うことをだ。そしてその日のうちに雅美のためにオムツやその他赤ちゃんが身に着けるものを用意し始めた。
 もちろん今晩から雅美にオムツを着けるからだった。

 おねしょをするようになってから三日目の晩、雅美がお風呂に入っていると静江が後から入ってきた。
 静江と一緒にお風呂に入るのはこれが初めてである。
 ピンと張った乳房、均整の取れたお尻や体付きはとても40歳台とは思えない。
 雅美も見とれるほどだ。
 それに引き換え雅美の体は未発達で、ほとんど胸のふくらみはなく、二十歳であってもブラなどは要らない。下半身は無毛で、小さな子供ののように股間の立て割れがはっきり見えていた。
 特に何故だか静江の乳房に引き寄せられるように見つめた。自分が寝ている時いつも静江のお乳を吸っていることは知らない。又、静江も雅美に見られていることを感じる。
 「雅美ちゃん、オッパイが好きなの?」
 そう言われて雅美はハッとする。
 「そ、そんな…」
 真っ赤になってうつむくように小声で答えた。雅美も何故静江の乳房に引かれたのか分らない。ただなんとなく吸いたいという欲望に駆られたからだ。雅美はこれまで他人のお乳を吸ってみたいなんて思った事はない。そんな考えを静江に感じ取られたような恥かしい思いに駆られて真っ赤になったのだ。

 「大丈夫よ、雅美ちゃんもいつかは大きくなるわよ」
 湯船に一緒に浸かるとその豊満さはより一層目立つ。雅美は見て見ぬ振りをした。
 「実は、おねしょのことなんだけど」
 雅美はおねしょと言われて恥ずかしくなった赤くなり下を向いた。いつかはこの事を言われることは判っていたからだ。
 「今日みたいに雨が降ったらお布団も干せないし…このままじゃお父さんにも恥ずかしいおねしょのことわかっちゃうわね」
 「だって…」
 わざと静江は乳房を雅美の目の前に出した。
 「どうしたの?…雅美ちゃん、おっぱい吸ってみる?・・・吸いたいんでしょ」
 身体の小さな雅美を抱くようにしてお風呂に入っているのだ。雅美の向きなど思うように変えられる静江は、雅美を抱き寄せるようにした。
 「おっぱいを吸いたいだなんて…」
 「あら、毎晩雅美ちゃんは私のおっぱいを吸って離さないのよ。知らなかったの?」
 「えっ…そ、そんな」
 言われてみると静江と寝るようになって母のお乳を吸っていた時の夢ばかり見ていた。
 その時になって雅美の口の中に静江の乳首が入ってきた。途端に懐かしい甘い香りに雅美は包まれた。
(なに?…)
 ふっと頭の中に懐かしさがよぎって少し照れる。
 それでも雅美は、途端に赤ちゃんの時代に戻ったような錯覚に囚われ、うっとりしてしまい、頭の中が真っ白になっていく。おねしょのことなど何処かに消えてしまう。
 「そうよ、それで良いのよ。雅美ちゃんの本当のお母さんに私がなってあげるからうんと甘えて良いのよ。」
 雅美は、お乳を口に含んで首をこくんと頷いた。
 「そう、おっぱいを一杯吸っていいのよ。今から雅美ちゃんは、私の赤ちゃんになるのよ。そして雅美ちゃんの本当のお母さんになってあげる」
 雅美は赤い顔をして頷いた。
 確かに雅美は静江を本当のお母さんのように思い始めていた。
 「だから雅美ちゃんは、おねしょをしてもいいようにお母さんのいうことを聞いて、お風呂から上がったら赤ちゃん見たくおむつをするのよ。分った?」
 母がわが子に言うように優しい響きがあり、雅美はそれに逆らえなかった。
 ぼんやりする頭で雅美は頷いた。
 (おむつ!二十歳の私がおむつをするの?いや、恥かしい…)
 恥ずかしさがこみ上げてくるが、だがなぜか思うように身体が動かない。口の中に広がる甘い香りが一杯になり雅美の記憶は不意になくなった。
 雅美が気付いたときは浴室の脇にある脱衣所に横たわっている状態だった。
 「気が付いた?雅美ちゃんはおっぱいを吸っておねむしたのかと思ったわ。約束どおりおむつをしちゃいましょうね。そうすればおねしょをしてもだいじょうぶでしょう」
 股間に柔らかな布地をあてがわれる感覚に気付いた。
 静江は演じた地と同じように最初は紙おむつにしようと思ったが、それではあまり可愛らしさがないと考えた。
 それで布オムツに決め、それに合うオムツカバーも用意していた。その方が、雅美がいっそう小さな子に見えると思ったからだし、雅美もオムツを強く意識するだろうと考えたからだった。
 「ああ…お、おむつ、おむつは…いやっ。は、恥かしい。あ、あとでお部屋に戻って自分でするから・・・」
 嫌がっても全く身体に力が入らない。どうしても体を動かすことができない。内股からつま先まで電気が走ったような痺れた感じなのだ。
 「さっき約束したでしょう。雅美ちゃんは私の赤ちゃんになるって。おむつも着けるって言ったのよ」
 「で、でも…お、おむつは…二十歳にもなっておむつは恥かしい…」
 そんな雅美の言葉を無視して静江は続けた。
 「おねしょは恥ずかしくないの・・・」
 「そ、それは・・・」
 「わざわざ雅美ちゃんに似合う可愛らしいオムツカバーを買ってきたのよ」
 違うオムツカバーを雅美に見せた。
 「わ、私に合うオムツカバー・・・?」
 「そうよ、赤ちゃんのでは小さいでしょ。だから雅美ちゃんの体の大きさに合わせた可愛らしいオムツカバー。今雅美ちゃんに着けているのはこれと色違いのオムツカバーよ。とっても可愛いでしょう」
 それは内側が白いゴム製で、表は淡いブルーに小さなコスモスが色とりどりにプリントされていた。両サイドにはホックがいくつか並んで付いていて裾には、可愛らしい白いフリルをあしらってある。
 形や柄は赤ちゃんが着けるような可愛らしいオムツカバーだが大きさが違っていた。
 雅美が見ても確かに可愛い柄だった。
 「そんな・・・私に合わせてだ・・・なんて」
 そう言ったが声は小さく、そのときにはもうほとんど雅美にオムツはつけ終えられていた。
 「パジャマの下はオムツのせいで穿けないわね。こんど雅美ちゃんがオムツ着けても穿けるような可愛らしいパジャマを買ってきてあげる。それまではオムツのままで我慢してね」
 雅美は、無意識に親指を咥えて頬を染めた。脱衣所にはオムツカバーのホックを止める音が響いていた。
「ほら、可愛い・・・雅美ちゃんのおむつよ。可愛いわね。見てみる?」
そんな言葉は、二十歳にもなってオムツを着けられた恥ずかしさで雅美の耳には入ってこなかった。

 脱衣所から父に分らないように自分の部屋にやっとの思いでたどり着く。
 おむつのせいでパジャマのズボンがはけない。だから雅美の下半身はオムツカバーが丸見えだった。それにおむつの枚数が多いため股間を思うように閉じられないから歩くのも困難で、まるでよちよち歩きの子供のような格好になってしまう。
 その歩く姿は、本当によちよち歩きの赤ちゃんを大きくしたみたいに静江には見えていた。
 幸いにも父はテレビを見ていて雅美には気付かなかった。
 歩くたびにオムツが股間を刺激してくる。その刺激が体中を熱くさせる。部屋につくころにはオムツが湿ってきたように思えた。
 (は、恥ずかしい・・・二十歳にもなってオムツを着けられるなんて・・・で、でも・・・?)
  股間がジンジンと熱くなって痺れるような感覚が湧き上がってくる。
 (これって・・・感じるってことなの?・・・やだ、オムツを着けられて感じるなんて・・・私って変態?)
 そんなことを考えながら部屋に戻った。でも寝るのには未だ早い。
 だが机に向かって椅子に座っても下半身に目が行ってしまう。パッとみいはブルマのように見えるが腰紐や縦に並んだホックがおむつだと物語っていた。どうしても意識は下半身に集中してしまう。
 (あああ、お、おむつ、おむつ、赤ちゃんじゃないのに赤ちゃんみたいなおむつ。ああああー)
 おむつの上から股間をぎゅっと手で押し付ける。恥かしさのためか汗のせいかおむつが濡れているような感じが強くなる。
 「あああーーー、お、おむつーーーーは、恥ずかしいー」
 なんとも言われない快感が雅美の一点から湧きあがってきて体全体が益々熱くなる。そしておむつを通じて下半身から全身に広がっていく。そんな感覚は雅美にとって初めてで戸惑った。
 「あああーーー?……」
 今までオナニーはしたことはあった。でも貧弱な性器では感じることは出来なかった。だから今のような快感に雅美は戸惑い、手を止めようとした。でも止める事が出来ない。裾ゴムの間から指を入れると、おむつはおしっこでないねばねばした液体でぐっしょりになっている。まるでおむつにおしっこをおもらしした見たいにぐっしょりなのだ。
 指の先端が大きくなったクリットに触る。
 「ヒーーー」
 電気が走ったみたいにビクンと痙攣したようになた。その瞬間尿意がすっと湧き出ておむつを少し濡らしてしまう。
 我慢することができなく、括約筋に力を入れるが無駄だった。それで止まるはずもなくおしっこはおむつの中に浸透していった。
 「あっ、あっ、あーーー、お、おしっこが…い、いくーーー」
 雅美にとってはじめての快感であった。大きな開放感と浮遊感を伴い雅美はおむつにおもらししながら果ててしまった。
 余韻が去って後には生暖かい感触が股間をくすぐり、おむつをしてそれを汚した羞恥心をあおる。
 「二十歳にもなって お、おむつを汚しちゃうなんて…恥かしい」
 だが後から静江が部屋に入って来るのは事実である。その時おむつが濡れているのがばれたらどうしようかと悩んだ。起きているときおむつを使ってしまえば赤ちゃんと同じようで恥かしすぎる。夜尿症と言う病気ならば仕方ないと思わせようと自分で言い聞かせ、そのまま布団に横になった。

 静江は、お風呂をあがった後、俊夫と話していた。
 「雅美ちゃん私がお母さんになっても良いって」
 「雅美が…本当にかい」
 湯上りの赤い顔を拭き、嬉しそうに俊夫に向き直った。
 「本当よ。今お風呂のなかで聞いたら、“うん”って返事をしたし、おねしょが続いていることは言ったけど。それでね、お風呂上がって雅美ちゃん、私に言われた通りちゃんとおむつを着けたわよ」
 「雅美が、おむつ?雅美は二十歳だよ」
 信じられない顔で俊夫は聞いた。
 「おねしょしのことは知っているわね。それにおっぱいを吸うようになった事も。それでお風呂の中でお乳を吸わしたらあっさり甘えたに戻ったわよ。雅美ちゃんは甘えたかったのよ。…それにねー、雅美ちゃんのおむつ姿は可愛いわよ」
 「雅美がね〜…」
 俊夫は少し信じられないような顔をした。それはそうだろう、いくらおねしょをするからと言っても雅美は二十歳である。そんな子がオムツを承諾するだろうか。

 「それで雅美ちゃんの夏休みの第一日曜日に引っ越そうと思うの」
 疑問に思う俊夫をよそに話は急転した。
 「夏休みって・・・もう直ぐだよ。・・・あの例の家に?」
 「だって私一人じゃ住むのに広すぎるもの。それに北欧の大きな調度品ってアンティークで好きなんだから」
 雅美をわが娘にしようと思ったとき、偶然にも保育園から歩いて三分のところに売り出しの今の家があった。最初見た時から気に入っていた。それはベビールームがそっくりそのまま残っていたからだった。明るい可愛らしい子供部屋に白いベビーベッド。外人が使っていた分ベッドそのものは雅美でも十分寝ることができる。それに家具や調度類が雅美をより小さく思わせる大きなつくりなのだ。値段も思っていたよりに高くはなかった。その値段では土地の値段だけの設定のようだった。おまけに芝生の庭まである。静江が一つ返事で飛びついた。半分はキャッシュで、残り半分は本人に10年ローンで話がついた。

 オムツをつけるようになって相変わらず雅美はオムツを毎晩汚し続けた。それも一晩に2回は最低オムツを換えられていた。起きたときもオムツはおねしょで濡れていた。だから一晩に3回はおねしょをしていることになる。オムツを着けられてから寝ていておしっこを我慢ができなくなってきていたようだ。それはオムツを着けられたから余計ひどくなってきていたのだ。
 オムツを着けられたということが潜在的に雅美に利尿効果をもたらしたのだ。オムツを着けていると思うとおしっこの感覚が早くしたくなってくるし、我慢もできなくなってくる。
 尿意が湧くと排尿といった赤ちゃんと同じような体になってきていたのだ。
 それにオムツを換えられても赤ちゃんと同じように気づかないほうが多くなっていった。

続き 

SEO [PR] 爆速!無料ブログ 無料ホームページ開設 無料ライブ放送