雅美の浮気封じ

 「ねえ…お父さん、しようよ」
 雅美が、二十才年上の夫にベッドの中で甘えようとしていた。だが夫である高志は、布団の中で雅美に背を向けて寝た振りを決め込んだ。

 最近、仕事の中のトラブルで、高志の一部分が機能をほとんどはたさなくなっていた。いわゆるインポである。意識の中では、女房を抱きたいと思うのだが何せ機能が役に立たない。それを女房である雅美に知られるのが怖く、寝たふりを決め込まざるをえなかった。
 「うーん…眠たいよ…明日も忙しいんだから」
 高志が、わざと眠たそうに答える。
 「そんなんなら私浮気しちゃうわよ」
 少しすねたようにそう言って雅美は、高志に背を向けて寝てしまった。
 雅美は、その時すでに会社飲み友達のグループで夫に似たタイプの男性と親しくなり始めていた。


 何日か前、高志は自分の病気のことで悩んだ末、自分なりに判断して掛かりつけの友人である医者に行ってきていた。
 「お前らしくはないな。ストレスが原因かな。心配することはないと思うけど一過性のインポだよ。何かきっかけがあればすぐに治ると思うよ」
 その掛かり付けの医者は、高志の同級生で高校時代からの親友だった。そのためほかの患者とは違い、なれなれしい言葉で親近感がある。
 高志は、おとなしそうに見える。なりは大きいし優しいのだが、ある意味神経質の気質で神経的に弱い部分があった。
 「そうか…やっぱりな」
 高志は、少し肩を落とした。
 「お前の嫁さん…だいぶ若くて可愛いんだろう…そんなんじゃ浮気されるぞ。働いているって言っていたよな。お前の今の収入ならば働かせなくても大丈夫だろう。…それに職場で浮気なんてよくある話だぞ」
 「そうかな。浮気か…それが心配だな…働くのは嫁さんの意思なんだ」
 高志は、そう言われて心当たることを思い出した。
 「お前がこんな年になって急に結婚だなんて。結婚式の時、嫁さんの年や格好を見て驚いたよ。子供と結婚したみたいな感じだよ。あれは詐欺だな……でも本当に何かあったら相談しろよ。力にはなれると思うから」
 医者は、少し羨ましそうに声を弾まして笑った。
 「そんなことは無いさ…年齢なんて結婚したら全く関係ないよ…ところで女房の浮気なんてよくある話なのか?…」
 高志は、言葉を少し濁らした。晩生の武志はそういったことに関して無頓着であった。そんなことはテレビの中だけの話と思っていた。
 「結構多い見たいだぞ…浮気…おいおい、本当にそうなのか?」
 医者は、興味ありそうに体を乗り出した。
 「そうかも知れない。ここのところ…女房にこのことを知られるのが怖くてかまってやれないんだ。そうしたら帰りが少しずつ遅くなって…最近なんか下着なんかもなんか派手になってきているし」
 高志は、頭を両手で抱えた。
 「ううむ、それって浮気かもしれないな…それで…奥さんは盛んなのかい?」
 「盛んって?…あれか。最初はそうでもなかったんだけど…最近では…」
 武志は、ちょっと照れるように赤くなった。
 「ふーん…なんで子供を作らないんだい」
 「子供なんて…第一彼女が子供だよ…」
 「なるほど…それは言えてるな」
 「そういう意味じゃなくて…全てが本当に子供と同じだよ。まだメンスが無いんだ」
 「本当かよ?…体に何か欠陥が…」
 友人の医者は、少し驚いたように身を乗り出す。
 「成長が…まだ完全に発達していないらしいんだ。体も心も中身は子供なんだよ…原因は良く分からないけど。女房の掛かり付けの医者の話では体が正常なんだから、そのうち始まるだろうって言っているらしいんだけど」
 「それだったら子供が出来ないから安心して浮気が出来るな…そうだ、浮気の出来ない体に…」
 医者は、言葉を濁らした。
 「どういう風な?」
 高志は、ちょっと分からないと言う風な顔をした。
 「たとえば…無毛とか…そう言った恥ずかしい体になってしまえば、恥かしいから他人に見せるわけには行かないだろう…」
 武志は、少し考えて苦笑いをする。
 「それならば…ほとんど生えていないよ。天然の無毛に近いな」
 医者はちょっと意外そうな顔をして身を乗り出してくる。
 「本当かよ…一度見てみたいな…」
 武志は、冗談じゃないというような顔をした。
 「お前がそういうんじゃ無毛は浮気には関係ないな」
 医者は頭をかいた。
 「それもそうだな。俺だって天然の無毛には興味があるし…そうだ、体が子供っぽいって言っていたけどオネショなんかしたことはないのかい?」
 友人の医者は、何かを思いついたように手をたたいた。武志はちょっと間を置いて答える。
 「トイレは頻繁に行くけれど。…確かにやることや、着るものは子供っぽいけど…オネショしたことは無いと思うな」
 「おねしょは無しか。それを理由に…お漏らしでオムツでもを手放せない体になってしまえば…恥ずかしくって浮気なんか出来なくなると思うんだけどな」
 ちょっと残念そうな顔をした。
 「残念だな、オネショが無くて…でもそんなことで浮気が…本当にそんなことが出来るのか?」
 武志は、少し興味があるみたいに身を乗り出す。
 「オネショやお漏らしをさせてオムツを手放せない体にすることは簡単にできるさ…そんなことなら簡単だよ…お前にそんな趣味があるのか?」
 武志は、医者に突っ込まれて顔を赤らめた。
 「そんなことは無いけど…でも女房がオムツなんて…少し興味があるな」
 少し照れるような仕草をした。
 「そうさ、オムツが必要な体になってしまえば…他人に知られるのが恥かしくって浮気なんか出来ないだろう」
 武志は、その言葉に「なるほど」と思った。
 確かに病人でもない成人がオムツをすること事態、恥かしいに決まっている。そんな姿を他人に知られるのは嫌に決まっているにちがいないから浮気なんか出来なくなると武志が思った。


 「今日は遅くなるからね。会社のみんなと飲みに行くから…」
 雅美は、高志の携帯に伝言を残していた。
 伝言のあった日、雅美は深夜11時を回って帰ってきた。
 雅美は、高志が眠っていることを確認して部屋の中で下着姿になってお風呂に向かった。少し酔っているようで、アルコールの臭いがかすかに部屋の中に残る。
 薄明かりで見たその下着は、何時も家で穿いているような可愛らしいショーツではなく、黒でセクシーなものである。雅美も夫の前でこういった下着姿を見せた事はないから、少しためらって夫が寝ているのを確認して下着だけの姿になった。

 雅美は、何時も子供っぽいアニメキャラの付いた下着を好んで着けていて、高志にはそんな色の下着は見覚えが無かった。そのせいか何時もと違って他人のような気がする。
 (あんなに色っぽかったかな)
 武志は、薄明かりで見た雅美の下着姿に驚いていた。
 布団の中で寝た振りをしていた武志は、そう思ってから医者の言っていた言葉を思い出した。
 「派手な下着…やっぱり浮気かな…それだったら一々僕に遅くなるって断らないと思うけど…」
 高志は、心配になってくる。自分自身に原因があるが、そんな雅美のセクシーな下着姿を見ても依然として高志のペニスはしなだれたままだった。

 雅美は、仕事の帰りが次第に遅くなってきていた。それまでは6時までに家に帰って食事の用意をしていた。もちろん高志の帰宅より1時間は早い。それが残業とか、女友達との飲み会とかの理由で遅くなってきたのだ。だから高志も外食をとる機会が多くなってきた。

 結婚して遅ればせながらセックスに目覚めた雅美は、夫の突然の変化に不満を抱くようになっていた。いくら夫を誘っても雅美を抱こうともしない行動に不信感を抱くようになってしまったのだ。
 不信感は、次第に欲求不満に変わってくる。雅美の欲求不満は増大し、偶然に友人たちと飲みに行くグループの中の、雅美の好の男性に向けられ始めた。
 雅美が好きになりそうなタイプで、年も背格好も夫の武志とそう変わらない。
 雅美は、会社で独身で通していた。その容姿から誰もそれを疑わなかった。
 雅美の好のその男性は、妻子持ちでいわゆる不倫である。雅美もそれは知っていたが、どちらかと言うとそうなるように仕向けたのは、最初雅美のほうだった。
 雅美の視線を感じてかどうか分からないが、その男性は雅美に近づき、気のあるそぶりを見せる雅美を次第に口説き始めた。
 最初は、断わるそぶりを見せていたが雅美の肉体的欲求不満が増大していき、少しずつ会社の同僚たちを抜きにして距離が縮まってきていた。

 武志が、医者に言われた事を実行していなければ、あと少しで肉体関係にまで進展していたことは確実だった。
 雅美自身、その気でいたから下着まで替えて会うようになってなっていた。ホテルに誘われてもなかなか踏ん切りがつかなかった。それは雅美の幼児体型によるコンプレックスからだった。
 
 心配性の高志は、友人の医者に言われたことが気になっていたことは事実だった。
 「浮気の出来ない体に…オムツが手放せない体に…どんな顔をするのかな…」
 武志は、雅美のそんな姿を連想して苦笑いをした。
 武志は、友人の医者が言った言葉が頭によみがえってくる。そして、その医者にどのようにやっていくのか相談しなければならないと武志は決断した。

 「これは睡眠薬、そしてこれが利尿剤。無味無臭だから食事の中に混ぜれば分からないよ…二三回失敗させたら飲ますのを止めること…持続性は無いけれど、癖になるし…かなり強い睡眠薬だから…人によって多少は異なるけど、眠りだして3時間は何をされても起きることは無いはずだよ。利尿剤はあまり続けると体にいいこと無いから程々にな」
 友人の医者は、高志に途切れ途切れに説明しながら渡した。
 「分かった。これで確実に…」
 「絶対失敗するから。それは保障する…後はお前の持って行き方しだいさ。もし医者に行くって行ったらここに来させたらいい。多分医者には行かないと思うけど…それにオムツは嫁さんの体にあわせて出来るだけ可愛い赤ちゃんが使うみたいなほうがいいよ。そのほうが恥かしさが増すし…余計他人には見せられないだろう…ところでそんなものを売っているお店なんかは知っているのかい?」 
 「そんな店知ってるわけ無いよ」
 「ネットで検索すれば出てくるよ」

 武志は、友人の医者に言われたとおりネットで検索してオムツを探した。もちろん武志はオムツに関することは何も知らない。だからそういった小説やその他のこともついでに探し出して読んでいた。
 「なるほど…こんなふうな物もあるのか…こんなもの着せたら雅美はどんな顔をするかな?それに似合うだろうな


 武志は、赤ちゃん用品の色々なものを見てその多さに驚き、感心してしまった。
 もちろん色々なオムツや、その着け方が分からないからネット上で学んでいた。そのついでに色々な幼児用品も探していた。もちろんオムツを着けた雅美を赤ちゃん扱いする為だ。

 「ふーん。こんなものもあるのか…これじゃ赤ちゃんと同じだな…赤ちゃんか。雅美が赤ちゃんになったら可愛だろうな?」
 雅美のオムツ姿を連想して苦笑いした。


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